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霞に包まれた海の氷を割いて渡ると、突然と現れる岩場の大地。地平線に臨むのは真っ白な氷床。夏なのに肌を刺すような風にも、心地良さを覚える。まるで漫画のような別世界に来た──日立製作所の田端志野さん(31)は、国立極地研究所に出向し、第65次南極地域観測隊の隊員として、2023年12月、南極に降り立ちました。

さかのぼること1956年、日本は第1次南極地域観測隊を派遣し、観測事業を開始しました。南極は、人間の活動による環境汚染が最も少ない地域の一つで、その気象や地層データを観測し分析することで、地球の自然環境や環境問題を解明しようとする試みでした。観測は繰り返され、オゾンホールの発見やオーロラの発生の仕組みが判明するなど、大きな成果が上がっています。

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