日立製作所 中央研究所(東京都国分寺市)は、都心とは思えない空間の中にある。3万本あまりの樹木に囲まれ、創業社長の小平浪平による「良い立木は切らずに、よけて建てよ」の言葉を受け、野川源流の湧水などを極力残して建てられている。
ここに2019年4月開設したのが「協創の森」だ。構想が持ち上がってから4年余りの準備期間を経てオープンしたこの場所は、持続可能な社会を実現するためのイノベーションを創出する場をめざしている。協創パートナーが集い、社会課題の解決に向けたビジョンを共有して協創を進める「開かれた場所」は、新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)の感染拡大により人が集うことが難しくなった。
そこで現在進めているのが、「協創の森」のデジタルによるアップデートだ。その活動を進める研究組織のリーダである西澤格、西村信治、森正勝に今後の協創の森について話を聞いた。