近年,世界的に異常気象や災害が頻発する中,気候変動への意識が急速に高まり,温室効果ガス排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルに向けた取り組みが加速している。日本でも2020年10月に菅義偉首相が所信表明演説で初めて2050年のカーボンニュートラルを政策目標として表明し,その実現に向けた挑戦が本格的にスタートした。
日立東大ラボではこうした世界動向の中,2016年の設立から将来の持続可能な電力・エネルギーシステムのあり方を模索するプロジェクトを推進し,提言書と公開フォーラムを通じてその成果を広く発信してきた。2021年1月,オンラインで開催した3回目のフォーラムでは,カーボンニュートラルに向けた電力・エネルギーシステムと社会技術シナリオに関する活動報告とともに多彩な有識者との議論が行われた。